右手に剣を、左手に君を
恋心
『渚……。
どうか、信じて欲しい』
……誰だ?
あぁ、また、夢か……。
『すまない。
本当に……すまない』
突然目に入った光景に、息が止まりそうになる。
忠信が、まぶたを閉じた渚を抱きしめていた。
その目に光るのは……涙……?
すまないって……何がだよ。
教えてくれよ。
俺が、今世で代わりに謝ってやるから……。
しかしそんな訴えは、夢の中の人物達には届かない。
最後に、忠信が口を開いた。
『また、会えたら……
その時は……』