右手に剣を、左手に君を
「ばあちゃん……?いるか……?」
一応声をかけてみるが、返事はない。
ますます大きくなる胸騒ぎが、俺を不安にさせる。
それを振り払うように、書庫の扉に手をかけた。
「開けるよ」
重たい扉を思い切って引く。
ギイ、という音と共に、中の書庫が少しづつ姿を現した。
「……!」
ほこりっぽく、かび臭い書庫の中に見えたのは。
中央の机に突っ伏している、ばあちゃんの姿だった。
「ばあちゃん!大丈夫か!?」
俺は慌てて、ばあちゃんの肩を叩く。
しかし、周囲に散らばった古い書物も巻物も、何も応答してくれない。
「ばあちゃん!ばあちゃん!」
俺は必死に、ばあちゃんに呼びかけた。
心臓が不規則に鳴り、息が苦しくなる。
ばあちゃんにもし、何かがあったら……。
そんな不安にかられて。
後から追いかけてきた三人に止められるまで、必死で肩を揺さぶり続けた。
結局、ばあちゃんが無事に目を覚ましたのは……。
深夜になってからだった。