右手に剣を、左手に君を



この町に面する海にいたという海神(ワタツミ)に、協力を依頼した。


海神は了承したが、自分の代わりに、

名のある龍神の娘、善女竜王(ゼンニョリュウオウ)をよこすことにした。


他の神よりも、善女竜王は人間に友好的だったからだ。


善女竜王は、普段は人の姿となり、三剣士と行動を共にした。


そして、いよいよ空亡と対決し……。


彼女と三剣士の力を持ってしても、空亡を滅ぼす事はかなわなかった。


しかし彼らは、全力をかけて空亡を封印することに、なんとか成功した。




……そして何故かここで、御津家に伝わる記録は途切れている。


子孫がいるということは、三剣士は戦いのあとも生き延びたのだ。


しかし、どの家にも、その後善女竜王がどうして封印されたのかという記録は無かった。


ただ、あの洞窟の祠に封印された、とだけ。


御津家の記録にあった。


だから三剣士の血を引く俺達は、あの洞窟へ行ったのだ。


その理由は……。




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