右手に剣を、左手に君を


バリバリバリ!!


残りの霊力を送り込むと、草薙剣の刀身が金色に輝き──


空から、雷鳴を呼びつける。


しかしそれはまだ、かなり遠くにあった。


頼む、健太郎、雅、早く来てくれ。


運良く迦楼羅を倒せたとしても、玉藻を相手にする力はもう、残っていない……。



「こないのなら、こちらから行くぞ!」


「!!」



悠長に相手の攻撃を待つはずもなく、迦楼羅が再び斬りかかる!!


連続で放たれる攻撃を、飛びのいて避ける。


渚を巻き込まないように、気をつけながら。


しかし……。



「防戦一方では、姫は守れぬぞ!!」



迦楼羅の大声とともに、短剣が迫ってきた!!



「わかってる……よ!!」



逃げてばかりじゃ、何も守れない。


そんな事。


言われなくても、ここ最近で痛いほどわかったんだ!



剣の腹で受けた迦楼羅の短剣を、渾身の力で弾く。


その一瞬の隙を突き、雷(イカズチ)を……落とす!



「うおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」



< 209 / 449 >

この作品をシェア

pagetop