右手に剣を、左手に君を
バリバリバリ!!
残りの霊力を送り込むと、草薙剣の刀身が金色に輝き──
空から、雷鳴を呼びつける。
しかしそれはまだ、かなり遠くにあった。
頼む、健太郎、雅、早く来てくれ。
運良く迦楼羅を倒せたとしても、玉藻を相手にする力はもう、残っていない……。
「こないのなら、こちらから行くぞ!」
「!!」
悠長に相手の攻撃を待つはずもなく、迦楼羅が再び斬りかかる!!
連続で放たれる攻撃を、飛びのいて避ける。
渚を巻き込まないように、気をつけながら。
しかし……。
「防戦一方では、姫は守れぬぞ!!」
迦楼羅の大声とともに、短剣が迫ってきた!!
「わかってる……よ!!」
逃げてばかりじゃ、何も守れない。
そんな事。
言われなくても、ここ最近で痛いほどわかったんだ!
剣の腹で受けた迦楼羅の短剣を、渾身の力で弾く。
その一瞬の隙を突き、雷(イカズチ)を……落とす!
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」