右手に剣を、左手に君を
理由
俺達は、野田を問いつめる。
「お前、あの二人の正体を知ってたのか?」
野田は、唇を結んで答えない。
俺達は焦りといらだちの頂点だった。
まず健太郎が爆発してしまう。
「お前なぁ、これ見て何とも思わないのかよ!
魂が集まって、空亡が完全復活したら、
人間世界はおしまいなんだぞ!?」
「野田。何でもいい。
知ってる事を、話してくれ。
皆を助けるために」
健太郎のマシンガンのような口を押さえ、雅が冷静に尋ねた。
すると、野田は……
顔をひきつらせて、笑った。
ように、見えた。
「何がおかしいんだよ」
思わず尋ねると、野田は震える口で、話しだした。
「そうだ、おしまいだ。何もかも」
「……はぁ……?」
「終わればいい。
こんな世界、滅びればいい」
そう言って野田は、ひゃひゃひゃと笑った。
その顔は、狂気に満ちていた。