右手に剣を、左手に君を


ピュウ。


突然の海風が、俺達に吹きつけた。


イタズラな風は、渚のスカートをまくる。



「……!!」



後ろにいた俺達は、信じられないモノを見た。



「おい!ちょっと!!」


「ふえ?」



真っ赤になっているのが、自分でもわかる。


突然後ろから手をつかまれた渚は、キョトン顔で俺を見上げた。



「何だよ、コウ」



健太郎が驚いた声を出す。



「健太郎、恒一に任せて先に行こう」


「は?任せるって何を?」


「いいから」



雅もアレを目撃したのだろう。


気まずそうに、健太郎の肩を叩いて歩いていった。



「こっちに来い」



俺は渚を連れて、通学路から少し離れたコンビニに入った。


コンビニと言っても、24時間営業せず、夜10時に閉まる微妙なコンビニだ。


田舎だから、仕方ないが……。



「ふわぁ、すごいねぇ」



はじめてコンビニに入った渚は、感嘆の声を上げる。


そりゃそうだ。


平安時代からタイムスリップしてきたようなやつだもんな。


じゃ、なくて。


俺は渚に、ある商品を渡した。



「……金やるから、買ってこい。

そしたらトイレに行け。

このビニールを開けて、中にある布を履け。

2つ小さな穴があるから、そこに足を通すんだ。わかるか?」


「ふえぇ?」



一気に言われた渚は、困惑の色を浮かべる。


しかし、ゆっくりしている暇はない。



「あぁ、もう!」



結局、俺は一緒にレジで支払いをし、渚を無理矢理トイレにねじ込んだ。



そう。


渚は、制服の中に、何も履いていなかったのだ。


風が吹いた時に見えたのは、白い……オシリだった。


それに、尾てい骨の辺りから。


魚の尾みたいなものが、はえていた。


多分、龍神である印なのだろうが……。


とにかく!!


そんな短いスカートで、何も履かずに歩くなっ!!



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