右手に剣を、左手に君を


「そうか……」


「空亡を完全復活させるわけには、いかない」



再び、十束剣を構える。


迦楼羅は短剣をしまい、いつかの横笛を取り出した。



「力の増した者に、手加減は無用だな」


「…………」



黒い翼が、ばさりと広げられる。


それが、開戦の合図だった。


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