右手に剣を、左手に君を
切り落とした首は、ちょうど人の頭くらいだった。
転がったそれは、やっと黒い煙になって消えていく。
「はぁ……っ」
「油断しないで。
空亡はこんなもの、いくらでもわかす事ができるの」
「マジかよ……」
そう言う間にも、先ほどの攻撃を免れた首達が、襲ってくる。
「雷!!」
《滅びよ!!》
俺と渚の攻撃で、何とかそれは消滅していく。
しかし、渚の言う通り、首は斬っても斬っても、渦から溢れてくる。
《ムダな事を……
素直に滅びよ、人間》
「……そんな事、できるか!!」
空亡の声に、言い返す。
しかし、本当にこのままではらちがあかない。
こちらの霊力が削られていくだけだ。
「何か……方法はないか……」
「太陽……」
「えっ?」
「太陽の光があれば……!」
渚はまた、思い出したようだった。
上を見上げ、目を凝らしている。
「空亡が復活してから、この住吉は晴れた日がなかったよね?
いつも、曇か雨だった……」
「そうだけど……」
「それは、空亡が太陽の光に弱いから、自分で隠したんだよ!
それに莫大な妖力を使ってたから、自分で魂を集める事ができなかった。
玉藻や迦楼羅を使うしか、なかったんだ!」