右手に剣を、左手に君を


「やめろ……!!」



魂達は、あっという間に渦の中心に飲み込まれていく。



《返してっ!!》



渚が、水の槍を出現させ、何本もその渦に撃ち込む。


しかし、渦はそれもゴクリと飲み込んでしまった。



「ああっ!!」



流星群が、逆流するように。


魂が尾を引いて、渦に昇っていく。



「うわぁぁぁぁっ!!」



残りの霊力を全て燃やし、渾身の力で、

何本もの雷を落とす!!



しかし空亡は揺らめいただけだった。



「そんな……っ!!」



なす術もなく……。

魂は、ひとつ残らず、空亡に飲み込まれてしまった。


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