右手に剣を、左手に君を
霊力が、手の平に集まって光を放ちだす。
血管の中を、古代から伝わる先祖達の血が駆け巡った。
左手の熱が上昇し、やがて……。
光を放った手の平から、ずず、と刀の柄が頭をのぞかせた。
ゆっくり、首を伸ばすそれを。
右手で、つかむ。
ずるりと引き抜くと、刀はその全身を現した。
柄は黒く、刀身は金色の光を身にまとっている。
暗い洞窟が、俺達の周りだけ明るくなった。
手の平の穴は、もう何もなかったように、ふさがっている。
「……これから、龍神の封印を解放する」
洞窟内にこだました声に。
仲間の二人がうなずいた。
俺は刀をにぎりしめ、一歩、祠に近づいた。