右手に剣を、左手に君を
どうしても、気持ちが抑えられなくて……。
俺は彼女に、深い口づけを与えた。
そのまま、手が勝手に、首から下へと伸びていく。
小さな胸の膨らみに触れた時、渚が手で俺の肩を押した。
苦しかったかな。
唇を離して見つめると、
荒い息をする渚と、視線がぶつかった。
「あの……」
彼女の唇は、緊張からか小刻みに震える。
「……悪い、我慢できない」
俺も、余裕がない。
彼女が、愛しすぎて。
「だ……」
ダメ、と言おうとした彼女の唇をふさぐ。
もちろん、俺の唇で。
そして、胸に置いていた指で、ボタンを1つずつはずす。
表れた白い胸元に、唇を寄せようとした途端……。
バンッ!!
大きな音がして、驚いて身体を離す。
そこには、外れた戸と、
なだれ込んできた雅、健太郎、ばあちゃん、リカさんがいた。
「!!」
「ふやあぁぁぁぁんっ!!」
俺は部屋のすみまで飛び退き、
渚は慌てて、胸元を隠した。