右手に剣を、左手に君を


全員がテーブルを囲むと。


まず雅がばあちゃんに、昨日俺達が出ていってからの大体の事を話した。


学校で起きた事や、野田が偶然、空亡を復活させてしまった事。


米倉が玉藻で、尾野が迦楼羅だった事。



そのあたりまで、渚も驚きながら聞いていた。


そして、リカさんに助けられて、何とか帰ってきたわけだが……。



「そういう事か。

高校生が一斉に倒れたって、大変な騒ぎになってるんだよ」


「だよな……」


「病院のベッドも足りなくて、パニックだ。


だれがどの病院に回されるかで、もめてる。


ここらの病院じゃとても足りなくて、自宅で寝かされてる子がほとんどだ。


何せ、倒れた原因が不明という事になってるから……」



……頭が痛い。


三日以内にどうにかしなければ……。



「ところでお姉さま、どうしてまた来てくださったの?

もしかして、海神様が……」



渚が希望を込めて、リカさんを見る。


しかしリカさんは、残念そうに首を振った。



「まだ、何も進展してないわ。

助けてやっても良いんじゃないかって意見と、

人間なんか見捨てろって意見と、

上位の神達の間で真っ二つなの」


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