右手に剣を、左手に君を


俺達はうなだれてしまう。


やはり神の手助けは、望めそうにないか……。


人間達が好き勝手やってきた報いが、こんなところでやってくるとは……。



「じゃあ、お姉さまはどうして?」



渚が質問を戻す。



「倶利伽羅剣を彼に貸してるからよ。


それに、龍神剣を空亡に渡さないように、見張ってろですって」



リカさんは、少し苛立っていた。



「見張ってろ、なんて言うなら、さっさと助けてあげればいいのに」


「お姉さま……ありがとう……」



プンスカするリカさんに、渚が寄り添う。


すると……。



「ふ、ふふん。

良いのよ、これくらい」



リカさんの機嫌は、すぐになおってしまった。


さすが、癒し系……。


いや、シスコン龍神シスターズ……。


危ないところを助けられた俺達三剣士も、リカさんに頭を下げた。


リカさんは鼻高々だ。



「あの……皆さん」



頭を上げると、渚が全員に語りかけた。


珍しい事に、その場はしんと静まり返る。


渚は思い切ったように、口を開いた。


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