右手に剣を、左手に君を


昨日、神社でバケモノを見た……。


それはまさしく、あの夫婦だろう。


着地して、人間の姿に戻りきる前の渚を見て、悲鳴を上げた……。


普段なら、脳が夢か幻と思って、処理してしまうものを。


このパニックで、そうはいかなかったんだ。


町の人たちは皆、この異常事態の原因を早く見つけて、解決しようとしてる。


だから、神社に乗り込んできたんだ。


この町の人たちは、そこまで追いつめられている……。



「ばあちゃん、俺達が神社の方に行ってくる」


「あ、あぁ……。
無茶はしないようにな」



明らかに狼狽した顔のばあちゃんを置いて、俺達三人は神社へ向かった。


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