右手に剣を、左手に君を
「……無理やり奪い返す事もできるのよ。
苦しいから、素直に渡しなさい」
「……できません……」
「……しょうがないわね。
我慢しなさい」
リカさんの手のひらが、俺に向かって突きだされる。
すると。
「やめて、おねえさま!」
渚が、大きな声をあげた。
「倶利伽羅剣をお返しするなら、
その代わりに、
私が龍神剣を産みます!!」
「な……っ」
リカさんの手が、止まった。
そこに集められていた霊力が、空中に散らばっていく。
「そうよ、早くにそうすれば良かったんだ。
コウくん、龍神剣をあげるから、
早く空亡を倒そう!」
「ちょっとまて、渚……」