右手に剣を、左手に君を



「行こう!!」



俺たちは、再び走り出した。


夜空を流星のように流れていく、魂たちの後を追って。



「そうだ!!」



渚が、突然霊力を身体全体から放つ。


その瞬間、スカートの裾から龍の尾がにょきりと顔を出した。


そしてすぐに、うろこが彼女の全身を覆い……。


青い、龍の姿に変身した。



《乗って!!》



渚の指示に、全員が従った。


その銀色のたてがみをつかむと、

龍の姿の渚は、一気に上空に舞い上がる!



《落ちないでねっ!!》



彼女はそう言うと、魂の間を高速で移動しはじめた。


風を切るスピードで、魂たちが後に飛んでいくように見える。



だんだんと、鼻に潮風の香りが漂ってきた。



「海だ……」



夜の海は、暗くて不気味だった。


それより何より、空に不吉な渦が巻いている。


さあ。


決着をつけよう、空亡──。


< 365 / 449 >

この作品をシェア

pagetop