右手に剣を、左手に君を
「行こう!!」
俺たちは、再び走り出した。
夜空を流星のように流れていく、魂たちの後を追って。
「そうだ!!」
渚が、突然霊力を身体全体から放つ。
その瞬間、スカートの裾から龍の尾がにょきりと顔を出した。
そしてすぐに、うろこが彼女の全身を覆い……。
青い、龍の姿に変身した。
《乗って!!》
渚の指示に、全員が従った。
その銀色のたてがみをつかむと、
龍の姿の渚は、一気に上空に舞い上がる!
《落ちないでねっ!!》
彼女はそう言うと、魂の間を高速で移動しはじめた。
風を切るスピードで、魂たちが後に飛んでいくように見える。
だんだんと、鼻に潮風の香りが漂ってきた。
「海だ……」
夜の海は、暗くて不気味だった。
それより何より、空に不吉な渦が巻いている。
さあ。
決着をつけよう、空亡──。