右手に剣を、左手に君を
リカさんは、俺たちを雅と健太郎の近くに下ろし、人間の姿になった。
「怪我は?」
真っ先に、渚に問いかける。
「なんとか大丈夫……
それより、二人の方が」
「そうね」
リカさんはうなずくと、
ボロボロの二人に、癒しの力を送り始めた。
「お姉さま……」
「この二人は私に任せて。
あなたたちは、空亡を」
リカさんは、笑顔で言った。
「私は、妖と共生していくなんて、御免だから」
「リカさん……」
「大丈夫よ」
リカさんは、きっぱりと言った。
多くの神の反対をふりきって、俺たちのために、来てくれたんだ……。