右手に剣を、左手に君を
羽根と、炎と、水柱の間から見えたのは……。
こちらをにらむ、
恐ろしい、血の色の瞳……
《死ね、生意気な人間よ!!》
……一瞬の事だった。
空亡の渦から、無数の触手が高速で伸び……。
あっという間に、渚の水柱に突っ込んできた。
《ああぁぁぁっ!!》
渚の叫び声が聞こえた。
触手が、水柱を破壊したんだ。
そのままそれらは、俺たちの身体を食い破った。
「ぐあ、ぁぁ……っ!!」
《コウく、ん、う、あぁぁぁぁっ!!》
触手の攻撃を受けた俺たちは、
また地上に落とされてしまった。