右手に剣を、左手に君を
俺はその声で、ハッとした。
まさか。
まさか……。
「……龍神剣を、産みます」
その言葉は……。
雷のように、全員の頭に、落ちた。
一瞬の、沈黙……。
「もう、そうするしか……ないから……。
もう、誰にも、傷ついてほしくないの……!」
そう言って、俺を見つめる渚は。
泣いては、いなかった。
代わりに、強い決意の色が。
悲しいほど美しい青い瞳を、輝かせていた。
「渚……でも……」
……わかってる。
本当は、わかってる。
もう本当に、それしか方法がないってことは。
リカさんがいたとしても、
三剣士が束になったとしても、
おそらく、あの空亡には勝てないってことも。
でも。
承服なんか、できない。
そうしたら、君は……