右手に剣を、左手に君を


「龍神剣よ……

その姿、我の前に示せ!!」



口が、勝手にそう動くと。


青い光は、ますます強くなった。



手首に、力を込める。



引き抜くように、ずる、と。




やがて、水をたたえた七色の刀身が、


その姿を現した。




切っ先が、完全に空中に出ると。



渚の胸から、光が消えていった。




「渚!!」



腰で支えていた渚が、突然脱力する。



その顔が地面につく前、何とか支え起こした。



まだ、その身体は小さく息をしている。



仲間達が駆け寄り、全員で渚を支えた。



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