右手に剣を、左手に君を
リカさんと共に、空高く舞い上がる。
手にした剣から流れ込んでくる、莫大な霊力に戸惑いつつも、
俺は再度、空亡に対峙した。
《美しい……千年ぶりに見たぞ……》
空亡の赤い目にも、この剣は美しく、見えるらしい。
「空亡……
人間の魂を、返せ。
もう一度、黄泉の国へ帰れ!!」
《やってみろ!
どうせお前が死に、
この世界も龍神剣も、
全て、私のものになるのだ!》
ゴウ、と膨大な妖気と霊気が、同時に渦巻く。
それは突風となり、海面に波をたてた。
戦い方は……。
龍神剣が、教えてくれる。
俺は、息を吸い込んだ。
鼻から喉へ、潮風が通り抜けていく。
そして……
言霊と共に、攻撃を放つ!!
《雷光っ!!!》
その声は、俺の声であり、渚の神の声でもあった。
とにかく、龍神剣から放たれた光が、空亡を打つ!!
ドオン!!
爆音が響く。
空亡の周りの妖気が、霧になってもくもくと空へ昇った。