右手に剣を、左手に君を


膨大な霊力が、龍神剣から与えられる。


俺はそれを、天高く振り上げる!


《雷っ!!》


空がうなり、雲の上から、何本もの雷が空亡に落ちる!!


《ぐ……う、う……っ》


空亡から、初めて苦痛を伴ったような声が聞こえた。


効いている。


同じように見えるけど、やはり攻撃が剣の力で強力になってるんだ。


しかし……。


傷ついた足が、少し震えているのに気づく。


龍神剣は、新たな力をくれる。


しかしそれも、使えば消費されていく。



《小僧めが……!!》



次々に向かってくる魍魎の首、触手、羽根の刃、炎、精神波。


俺とリカさんはそれを避けながら、

何度も何度も、空亡の身体に雷を放った。



空は俺たちの攻撃の光を反射し、

黒や赤、そして黄金に点滅した。



「は、あっ、はあ……っ」



元々癒えていなかった傷が開き、血が噴き出す。


もう、それがいつついた傷か、わからなかった。


草薙剣が破壊されたあの日から、

俺たちは、駆け足でここまで来てしまったから。


そう。


おそらく最後の、この日まで……。


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