右手に剣を、左手に君を
膨大な妖気の竜巻が、俺を飲み込む。
俺は、龍神剣を構えたまま、リカさんの背中から吹き飛ばされた。
遠のいていく、意識の中……。
鈴の鳴るような、声が聞こえた。
『コウくん』
渚……?
姿は見えない。
しかしそれは、間違いようもなく。
渚の声。
渚の気配だった。
『大丈夫……私が、ついてるよ。
一緒に、がんばろう』
ふわ、と温かい空気が、俺を包む。
そこで俺は、まぶたを開けた。
気を失っている場合じゃない!!