右手に剣を、左手に君を


海に、髪の毛の先が着く直前。



俺の身体は、金色の波に拾われた。



《しっかりして……!!》



その声から、直接霊力が注ぎ込まれるのを感じた。


リカさんが、俺を拾ってくれたんだ。


俺はそのまま、渚がいる浜辺へ運ばれた。



リカさんの背で、仰向けになって、見上げた空に。


星のように浮かんでいた、人間の魂たちが、

尾を引いて、町の方へ流れていくのが見えた。


まるで、流星群のように。



……勝った……。

勝ったんだ……。



急に、希望が胸の中にわいて。


傷だらけの身体で起き上がり、リカさんの背から、

浜辺へと、飛び降りた。


俺はそのまま、砂を踏んで走った。


大事な、仲間の元へ。


なにより勝利を知らせたい、彼女の元へと──。




そして、水平線の向こうから。



久しぶりの太陽が、顔をのぞかせた。



眩しい光で、俺たちを祝福するように……。



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