右手に剣を、左手に君を
「コウ!!やったな!!」
「恒一!!」
健太郎が、俺に抱きついてきた。
雅は、渚に寄り添ったままだったけど。
二人とも、目に涙を浮かべていた。
「渚、渚!大丈夫か、渚!」
俺は、横たわったままの渚に声をかける。
膝をつくと、龍神剣を横に置いた。
「コウ、くん……
すごいよ、良かった……
封印じゃ、なくて……
ちゃんと、消滅……させられたね……」
渚は、震える手を俺に差し出した。
俺はそれを、強くにぎる。
「お前のおかげだよ。
最後に、助けてくれただろ?」
「えっ?」
「えっ、って……
お前、意識だけ、竜巻の中に飛ばしただろ?」
渚の青い目は、くるりと揺らめいた。
そのまぶたは、力がなくて……
大きな瞳が、いつもの半分しか見えない。
「あ、……なんか、わかんないけど……
こっから、応援してた、から……」
言葉は、途切れ途切れのまま。
その息が整う気配はない。