†魔界戦記†



その隣でセイトに
睨まれながらも
上の空で明後日の方向を
向いている男がいた。


「ごめんなさいね
この子はベンゲレ
私の命令以外は聞かないの
ご挨拶なさい、ほら」


めんどくさそうに
その筋肉で分厚くなった
大きな腕を挙げる


「お、おではベンゲレ
ナビカ、ごれでいい?」


ぷくっと鼻を膨らませると
ブフーッと突風のような
鼻息を吹き出す。

生暖かい風に当たるのが嫌で
少しだけ距離をおく
3人に対して

興味深々にそれを
眺め続けている男がいた。

きらきらと
目を輝かせているのは
ディアブロの問題児
そう、トードである。


「それどうやんの?」


「は?」


さすがのナビカも
戸惑っている。


「トードの奴、やるな」


その純粋無垢な言動は
これから戦う相手が
優勝候補という
不安を完全に
吹き飛ばしてしまった。


「両チーム、試合開始!!」
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