†魔界戦記†
キィエァァァァァ
万物を死に至らしめる
マンドラゴラの奇声
この円形の闘技場の中
残念ながらナビカたちには
届かなかったものの
ソルトはもろに
その声を聞いてしまった。
「あ・・・ああ、あ・・・」
その場に力もなく
崩れ落ちるソルト
爆弾狂のあっけない
幕引きであった。
さかのぼること十年前
「またこんなとこで
修行してるのか・・・ソルト」
俺の親父、花火師タルトが
こっちへ向かってくる。
「うるさいなぁ
俺はアンタの息子だぞ
出来ないワケないんだ!!」
そう言って再び
練習に励みをいれる。
ため息を吐くと隣に座るタルト
父は俺の誇りであり目標だった。
幼い頃に母を亡くし
男手一つで俺を育ててくれ
こんな俺でも
大切な息子として見てくれる
最愛の父だった。
「あああああああああああ」
焼け野原にこだまする
一人の魔族の絶叫
俺が育った村は・・・
霞地区は・・・
一夜にして焼け滅んだ。