†魔界戦記†
もうどれくらい進んだろう
どれだけ進んでも
一向に二人の姿はおろか
ミストたちの姿すら見えない。
もう、手遅れなのか・・・
まだだ。
まだ諦めちゃいけない。
さっきから明るさの
すっかり消え失せたトード
体が動かなくても
カエンに会いたい一心で
無理についてきてるセイト
必ず、必ず追い付いてみせる。
「・・・行かせませんよ」
前方に敵の気配を感じ
歩みを止める3人
現れたのは
金色の髪、鋭い目付き
目立つ真紅のネクタイ
そして黒い紳士服を
身に纏った男だった。
「ここから先には進めませんが
どんなご用ですか?」
優しく微笑みかける男
この妖気、ただ者じゃない。
でも・・・関係無い!!
「ああ、用がある・・・どけ!!」
【ラトラル】
遥か上空から男を狙い
光の槍が降り注ぐ。
「光の速さは何より速い
避けるコトは不可能だ」
砂ぼこりが舞い上がる。
地面にはぽっかりと穴ができ
そこに人の姿は影も形も
見当たらなかった。
行こう・・・
そう思った矢先の出来事だった。
おごりではない
手応えは、あったのだ。
ズゴン
もの凄い勢いで
セイトが弾き飛ばされる。
「あ、あ、あ・・・」
「さて・・・
進むなら、貴方は私の敵だ」