†魔界戦記†
「急げ、急げ、グズグズするな
もうスグ裏切り者達は
国境を越えるぞ!!」
天界第6小隊
通称【アディード】
主に天界に起きた不祥事
それもBランク以上の
凶悪犯罪でないと
出動しない我々が
駆り出されるのには
理由があった。
まさか熾天使が
神に背くとは・・・
すでに第4、第5小隊までも
出動命令が下された
一刻も早く捕らえなければ・・・
「その必要は、無い」
我が隊の目の前に現れた
そのお方はなんと
あのグラドリエル様だった。
ルシファー様とは
竹馬の友であり
二人して『神の武器』
と称えられたお方だ。
「その必要はないとは・・・
一体どういう?」
大きく右手を挙げる
グラドリエル様
次の瞬間
巨大な光の渦に巻き込まれ
我が隊は壊滅してしまった。
「ううっ・・・何故・・・」
ピーッ
腰の通信機が鳴り響く
これは、第5小隊のサイン
よし、助けを呼べる!!
「こちら第6小隊
グラドリエル様と思われし
人物に攻撃を受け
我が隊は壊滅、至急応援を」
しかし、返ってきた言葉に
私は絶望せざるを得なかった。
「こちら第5小隊
我が隊もサキエル様と
思われし人物に
攻撃を受け壊滅状態
応援など・・・送れません!!」
そしてその直後
通信は途絶えてしまう
何故・・・
「ハゼル・・・
いや、トードか・・・
後は任せたぞ」
死者を出さぬよう
手加減したものの
無数の負傷した
天使の上に立つその姿は
まさに圧巻であった。