†魔界戦記†

どうやらここは
本で読んだコトのある
『魔界』のようだ。
地面に咲く魔界植物が
それをもの語っている。





自分は魔術が使えない。
本来人は最高
二つまでの術を
扱うコトができる。
しかし自分は
戦闘の要となる
魔術を使うコトができない。


「今来られると・・・
危険だな」


とたんに後方から
寒気がし始める
シャキン!!
巨大なハサミが
空を切る・・・

とっさに横跳びで
難を逃れた僕は
敵に問い詰める。


「いきなり何をする!!
あんたは人殺しを
しようとしてるんだぞ!?」


こんな所にきて
そんな事を言うのは
全くの無意味だが
時間を稼ぐため
わざわざ言葉を放った。

そして、体勢を整えながら
僕は逃げの姿勢を取る

「甘いなぁ、まだそんな事
考えてるんだ・・・
ここは下界じゃない
もう既に『殺し』は
合法なのさ
俺の名前はゴッツ
以後宜しく
まあ、もう死ぬけど」


ニヤニヤ笑いながら
男は再度ハサミを構える。


「話してわかる相手じゃ
なさそうだね
なら・・・
逃げさせてもらう」


途端に走り出す僕
しかしその逃走は
意味のないものだった。
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