†魔界戦記†
「昔、いじめられてた
僕を救ってくれたよね
あれから色んなコトがあった・・・
君がいなきゃ
僕は自分に正直になれなかった
今頃死んでたかもしれない
だから・・・
みんなの分も含めて
僕が君を止めるんだ!!」
カエンと戦うのは
これが初めてだ。
できれば最後にしたい。
・・・いくよ
「・・・それ
本気で言ってんのか」
迂濶だった。
そういえばカエンは
【神速】だったんだ・・・
術を唱える隙も与えられず
連撃が襲いかかる。
僕にはただ
丸くなっているコトしか出来ない
そう思ったかい?
氷術【マステガ】
どこにも水がなくとも
氷を生成する方法、知ってる?
ってホントはどこにも
水がないんじゃなくて
どこにでも水はあるんだよね
「いっくよ〜」
大気中の水分が固まっていく
そして、カエンを
生きたまま氷漬けにした。
「はぁはぁ」
これが結構魔力を消費するもので
しばらくは動けなくなるが
氷の中のカエンの命に
別状はないだろう。
「ルシファーもいないみたいだし
このまま回復を待とうかな」
そう思った矢先だった。
ピシッ
ピシピシ
まさか・・・
氷が、割れる?
ガシャァァァァン
もくもくと水蒸気が立ち上る。
立っているのは
口の端に笑みを浮かべた
少し恐怖さえ覚える
カエンだった。