†魔界戦記†


「おおっと、逃がさないよ
掟術
【砂塵の檻】(サンドラボックス)
君の逃げる、という
行動を否定する」


ゴッツは片手で
印を結びながら
もう片方の手で
巨大なハサミを振り回す。


「俺のもう一つの術は
心術でね・・・
君の心が手に取るように
わかるんだ
君が弱いコトもとっくに
お見通しさ」


堪えきれなくなったのか
ゴッツは腹を抱えて
笑い出す。


「クッ、最初から
狙っていたのか・・・
しかも禁術を使うなんて」


ハサミが腕を
かすめていた・・・
赤い血が流れる。


「さぁそろそろ
死んでもらうか
あの世で植物と戯れてろ
俺の名前を思い出してな
アッハッハッ・・・」






途端に笑いを止めるゴッツ
悔しそうに
歯噛みすらしている。


「な、何が可笑しい!?
なぜ笑っているんだ!!」


そう、『俺』は・・・


















笑っていた・・・。
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