†魔界戦記†

天から声が聞こえる。
その声はどこか暖かく
荘厳という言葉が
ふさわしい
威厳のある声だった。


「か、神よ」


天使長が天に向け
ひざまずく。
それにならい
全ての天使が膝をつく。


「戦いを止めてください
ゼルエル。
あなたのそれは
もはや正義でもなんでも
ありませんよ」


「クッ・・・」


天使長がうつむく。


「魔族の者たちよ
私たちにあなた方を
裁く権利はありません
よって、そのまま
大会を続けなさい」


当然だ、という風に
鼻をならすクルーザ。


「ですが・・・
一次審査に残った
人間の子たちに
戦いを教える
天使の者を一人ずつ
付ける事を
許可してください」




!!!



「なんだと!?」


まさかの神の申し出に
困惑するクルーザ。


「俺クラスの男じゃ
そんなコト了解出来ない
それにいいのかい??
神ともあろう御方が
一端の悪魔に
頼み事だなんてよ」


クルーザはせせら笑う。


「ッ!?・・・貴様!!」


そんなクルーザを
ゼルエルが睨みつける。


「神は全てに平等ですよ
イン・ラ・クルーザ
もちろん、あなたにも」


クルーザの表情が変わる。


「・・・わかった
上に話を通してみよう」


期待しています。
そう言ったっきり
その声は聞こえなくなった。




・・・10分後
魔界評議委員会から
承諾の知らせが届く。

こうして長い時を経て
とうとう大会は
開始された・・・。
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