†魔界戦記†

てくてくと歩き出し
無無と向かい合う。


「バカじゃねぇのw
アイツら六行知らねぇぞ」


口を押さえ
隣の女に寄りかかる左魂。
女は憐れみの表情を
トードに向けている。


「トード、何してる!?
雷と水じゃ
勝負は見えてるぞ!!」


セイトが慌てて
トードを呼び戻す。

そう、トードの魔術は水属性
雷を操る無無には
相性が最悪なのである。


「セイト、お前そういや
アイツが戦うトコ見たこと
ないんだっけな」


ハゼルは腰をおろして
水を少し口に含んだ。


「先手必勝!!」


無無が手に集めた
球状の電気を放つ。


【ボルカノン】
繰り出された
巨大な電気球は
真っ直ぐトードを目指す。


「速いッ」


その巨大さに反して
非常に素早い動きで
迫るボルカノン。

間一髪トードは
それを避けるが
次々に繰り出される
攻撃に、手が出ない。


「ふははは!!
どうだ、これが光速
というやつだ!!
手も足も出ないだろう」


「光速・・・?
こんなもんが光速なの??
なら、ボクは
もっと速い人を
見たことあるよ」


そう言うとトードは
遠目にカエンを見つめた。


しかし、避ける分には
問題ないが、このままでは
確実に力尽きる。


どうすれば・・・


「ふふふ、無無の
必勝パターンに
はまったな」


左魂が不敵な笑みを漏らす。









バチッ!!
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