†魔界戦記†


「ホムラって人・・・」


カエンとホムラを
見比べるミスト。


「カエンにそっくり」


傍にいたトードが
それを突っ込む。


「ええッ!?それはないょ
まず顔が違うし
性格も全然違うょ!!
あんな奴とカエンを
一緒にしちゃダメじゃん」


しかしミストは
断固として似てると言う。


「仕草とか・・・
雰囲気がそっくりなの
私も認めたくないけど」


小さい頃からカエンを
知っているミストなので
妙な説得力がある。


「カエン・・・
目的は森を抜けるコト
だったよな」


ハゼルがホムラと
向き合う。


「さっさと行けよ
5分位は稼いでやるから
リーダーだろ??」


へへっ、と笑うハゼル。

その時、トードが
ハゼルの横に飛び出す。


「二人なら10分だもんね
リーダーは死んじゃダメだ」


勇気を振り絞って
前に出てきたトード。
しかし、足が震えている。


「俺に、見捨てろって
そう言うのか・・・」


唇を噛み締めるカエン。


「みんなを盾にして
生き残る・・・
そんなのがリーダーなら
俺は・・・
俺はリーダー
じゃなくていいよ!!!」


「うるせえ、バカ
弱音吐くぐらいなら
さっさとくたばっちまえ!!
リーダーとか
そんなんじゃねえんだ
お前だから・・・
一番信頼における
親友だから・・・
俺は命賭けれるんだよ」


ハゼルの言葉には
ぶっきらぼうながらも
思いの全てを込めた
そんな力があった。


「ッ・・・!!」


涙で前が霞む・・・
しかしせっかく
二人が作ってくれた
10分間。

無駄にするコトはできない。


「すまない・・・
必ず、勝つよ」


ミストの手を引いて
走り出すカエン。


「もっと俺に力があれば
あんな奴に・・・
あんな奴にッ・・・」


怒りと屈辱が
交互に襲い来るなか
二人は森を疾走する。

出口まで、残り3km。
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