†魔界戦記†
三日目の朝
ハゼルは悪夢で目が覚めた。
目の前に迫るのは
ホムラの【緋焔】
間一髪横に飛び
回避したものの
寸隙を入れず
ホムラの手が
ハゼルの首を捉える。
ギリギリ
嫌な音を立てて
絞まっていく自らの首。
ニヤリと不気味な
笑いを浮かべて
ホムラの顔が変形を始める。
それは・・・
ハゼルが見馴れた
他ならぬカエンの顔だった。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
叫び声と共に飛び起き
自分のおでこに
手を当てて汗をぬぐう。
滝のような汗のせいで
体は冷たく
なんとも気持ちが悪かった。
辺りは一面焼け野原
どうやらやりすぎたらしい。
「・・・場所、変えなきゃな」
ふと、体が動かないコトに
気づいたハゼル。
「あれ?なんで??」
魔力の使いすぎによる
枯渇状態に陥っていたのだ。
「そうかよ・・・
やっぱそういうコトかよ
・・・わかってた
わかってたんだ」
顔を膝に埋めて呟くハゼル。
「俺は大した力もないのに
相手を見ずに戦ってた
己の力を過信して
心だけ前に進んで・・・
体がついてこなかった」
焼け焦げた大地に
水滴が落ちる。
「でも・・・でも・・・
強くなりたかったんだよ
カエンに弱い自分は
見せたくなかった!!
俺はどうしようもない
クズ野郎だ!!!」
「なら、変わればいい」