†魔界戦記†


「みんな、これを見てくれ」


セイトがそう言って
一枚の地図を机に広げる。
魔力によって立体を映す
魔光図と呼ばれるものだ。


「今まで生徒が消えた
学校を調べて
わかったコトがある
最初に生徒が消え始めた
水蘭高校、次に風快高校、そして土盛、雷難etc・・・」


セイトが次々に
高校を線で繋いでいく
それは一つの
大きな円形に形を留めた


「そしてもしこの円を
本当に完成させるとすれば」


セイトの手に持ったペンは
みんなの嫌な予感を
的中させるかのように
俺たちの通っている
火鉈高校にチェックを入れた。

間髪入れずミストが言う。


「待って・・・
つまり次の標的が
ここってコトに・・・」


「そうなるな」


セイトがペンをしまい
言葉を遮る。
理解できないのも
無理はない
誰だって自分が消える
なんて理解できないだろう


「まぁあくまで俺の
仮説だから心配しないで」


しかし、次の瞬間
セイトはまるで
悪夢でも見たかのような
表情になり
あとずさりを始めた。

その視線の先には
手の一部の消えかかった
クラスメイトがいた。


「こっちもだ!!」


ハゼルがそう言って
足の消えかけている
友達を助け起こす。


「ど、ど、ど、
どうなってるのさ!?」


トードは半泣きに
なりながら自分の
消えかけた手を
見つめている。

その時
いきなり視力が消えた。
おそらく目が・・・


「クソッ!!俺もか・・・」


どうやら人によって
消える部位に異なりが
あるみたいだ。
もう・・・これ以・・・上
耐えられな・・・い・・
だん・・だん・・・
意・・・識・・が・・・


阿鼻叫喚の教室の中
俺は、睡魔に
身を委ねた。
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