†魔界戦記†
ボシュッ
風船がしぼむ様な音をたて
魔力が辺りに拡散する。
「クッ、クックックッ」
笑いを堪えるルシファー。
こっちは
必死だというのに・・・
怒りを鎮めながら
精神統一する。
1時間後・・・。
「お前才能ないな」
失敗も見飽きたようで
もう笑いもせず
食べ終わったリンゴを
そこらに捨てて
あくびをかましている。
「もう一回ッ!!」
これで軽く100回は
魔力を浪費したコトになる
(・・・おかしい)
ルシファーは
ある疑問を抱いていた。
それはカエンの驚異的な
魔力のスタミナである。
(コイツ・・・もしや?)
「カエン・・・
膜をどうしている?
ボーッと見ている
だけではないのか??
自分から膜を破ってみろ」
(膜を・・・破る??)
目を閉じて
呼吸を整え
全身に力を込める。
ゴポッ・・・。
「また来ちまったよ」
ばつが悪そうに
頭をかきながら
ため息を何度も吐く。
そこは暗く、冥い
光の遮断された世界・・・。