†魔界戦記†
誤算
「二次審査・・・
カエンは出さないぞ」
ルシファー驚愕の一言に
ディアブロは
驚きの色を隠せない。
「ウソだよね・・・カエン
一体なんでなの!?」
しかしカエンは
うつむき目を閉じている
だけであった。
ここは魔界闘技場
〜転生の間〜
いわゆるワープ室で
二次審査会場へ向けて
多くのチームが
すでに移動を始めていた。
「俺が説明しよう」
突然ルシファーが
横やりをいれる。
「カエンは・・・
『創術を覚える事が
出来なかった』んだ」
冷たい空気が
辺りに張りつめる。
「ボクにできたんだ・・・
カエンにできないなんて
絶対おかしいよ!!」
涙を流しながら
それでもハッキリとした声で
トードはルシファーに
詰め寄っていく。
「やめなさい、トード
ルシファー、わかりました
今回のリーダーはハゼル
それで文句はありませんね??」
ルシファーは軽く頷くと
「大天使様の仰る通りに」
と賛成の意を示した。
「そんな・・・カエン」
「ホントに・・・
ホントにみんなには
すまないと思ってる」
握りしめたこぶしと
噛みしめた唇から
微量の血が流れる。
自分が不甲斐ないのに
どうするコトも出来ない。
そんなカエンの気持ちが
ハゼルたちには
痛いほど伝わってきた。
「途中からでいい
参戦はムリなのか!?」
セイトが思いついたように
みんなに告げる。
「フム、手は打って
みようかのぉ〜
のぉ、大天使様」
「うむ、可能性が
ないわけではないからな」
今はそれに賭けるしかない
結局カエンはみんなと離れ
また一人、修行の日々と
なってしまった。