†魔界戦記†
「ミスト!!」
不意にミストを
呼び止めるカエン。
その手には修行中も
ずっと渡そうと思っていた
『ある物』が握られていた。
「何・・・これ?」
白く透き通る水晶が
お守りのようになっている
ブレスレットだ。
「きれい・・・」
少し顔を赤らめて
カエンを見つめなおす。
「白燈石っていう
魔力のこもった石で
作られたお守りだ
きっと、役に立つよ」
その目を静かに見つめ返す。
きっと・・・きっとだ
「いいな〜プレゼントだって
なんだかんだ言って
やっぱミストちゃんのコト
大切なんだね・・・
そう思わない?
ルシファー??」
「フン、くだらんな
術使えないから
ポイント稼ぎ〜
って言ってるようにしか
俺には見えんよ・・・」
(゚Д゚;)
「あんたどんだけ
根性ひねくれてんのよ!?」
転送の魔方陣の上に
乗っていく4人。
そこにはいつもいた
あの大切な人が
存在していなかった。
「必ず・・・必ず・・・
そっちに向かうから
なぁに、あっという間だ」
無理して笑顔を作るカエン。
しかしここからは戦争だ。
感傷にひたってなど
いられない。
それぞれの姿が
見えなくなると
5人の顔つきは
まさに戦士のそれであった。
なぜなら
ここ一週間の修行で
精神も鍛えられたから・・・
そう、彼らは強くなった。