beloved
終わったはずなのにあたしとあなたは。
離れるのを拒むかのようにずっと話した。
『付き合ってた頃の話』をした。
その度にあなたはあたしに。
『一緒にいてくれてありがとう』
『優しいね』
『ずっと好きでいい??』
『今まで通りに話し掛けていい??』
『いつか、やり直そうね??』
そんな優しく切ない言葉をくれた。
でも。
もうあたしとあなたに『次は』ない。
『終わってしまった』から。
『新しい恋して新しく好きな子を作って彼女も作るんだよ??』
そう言ったのに。
本当にあなたはあたしのことをいつも『幸せ』にさせてくれる。
『ずっと好きだから変わらないよ??』
『人の気持ちなんてすぐに変わるよ。』
『生まれ変わってもかわらない。本当に好きだから』
『ずっと好きじゃダメだよ』
『これから死ぬまで変わらないかもね。』
そういって可笑しそうにあなたは笑った。
その言葉に『心の言葉』が出てきそうだった。
震える声で一生懸命に言った。
『他の人と幸せになりな??』
『俺の好きな人は変わらないから意味無いよ』
溢れてくる涙を抑えきれなくて、声を………心を………押し殺す。
『じゃあ、切るよ??バイバイ』
『ちょっ!!!!待って!!!!』
その言葉を無視してあたしは切った。
もう聞くことも出来ないように。
あなたが他の人と笑い合っているのを願いながら。
ごめんなさい。
でも。
『いつまでも好きでいるから』
たとえあなたが他の人に『好き』と伝えても、あたしは笑うよ??
『あなたといる時がいつもあたしの幸せで、
あなたを好きでいることは許されるよね??
でも、気持ちは伝えずにいるよ。
それがあたしの最後のワガママだから。』