図書室から始まる彼女の初恋
「桃奈ー♪」
「梨香さんっ。」
放課後私達は
ぎゅうぎゅう抱き合う。
「桃奈もしかして私に惚れちゃったあ?」
「…可愛い梨香さんは私には勿体ないです…!」
梨香さんと話していると
居心地が悪い学校でも救われる。
「これ、約束の雑誌♪
メイクの仕方も載ってるから参考にして。」
「ありがとうございます!」
「桃奈…明るくなったねー。」
自分でもわかる。
今なら何事もプラスに変えられる気がする。
「梨香さんが私に、教えてくれたから…」
恥ずかしそうにうつむいてつぶやくと、
梨香さんは頭を撫でてくれた。
「…ってことで、私は!」
「え!?
梨香さん帰るの?」
「ごめんねっ。
ちょっと用事出来ちゃって…
明日私一人でいいよっ。」
ああ…
梨香さんは
どこまで良い人なんだろう。
本当に出会えて良かった。