図書室から始まる彼女の初恋
「ありがとう。
俺一度借りたら返さないけど良い?」
何、さらっと涼しい顔で言ってるのよ…!
それ、借りるって言わないよ…。
「えと、あの…うん。」
梨香さん、恋してるんだ。
この性格が悪い彼に…!
営業スマイルだし、さらっとひどい事言ってるし…
梨香さんは全く気づいていないけど…。
「その、私、芦田君と同じクラスだから…それで、その…」
「へー…。同じクラスだったんだ。」
ニコッと梨香さんに微笑みかける彼は、
梨香さんが傷ついたことに気づいていない。
同じクラスだったことを今知ったとか
ありえない…!
「うんうん、そろそろ良いかな…。
じゃぁまたね、桃奈。それとタオル貸してくれた子。」