図書室から始まる彼女の初恋


再び甘い香りを残して去っていった彼。

静まり返る図書室。

梨香さんに
なんて声をかけたら良いんだろう。

「私、かっこ悪…」

梨香さんは、
目に涙をたくさんためて上を向く。

「桃奈、知り合いだったんだね…」

「…前、図書室で一人のときに訪れただけで、
私、何も知りませんよ。」

「この学校の二年にはね、
芦田君と同じような美形やイケメンがいる、
4人組が居るの…
私その中の一人の芦田君に一年の頃に一目惚れしちゃって…
でも、やっと二年で同じクラスになれたのに、
顔さえ覚えてもらえてなかったんだ…」

ついに梨香さんは
顔を覆って泣き出してしまった。

どうしよ…

…落ち込んだ人の慰め方は!?

えっと…えっと…

「今ので覚えてもらえたんじゃないかな…」

「…っ…だと良いな…っ…」

< 23 / 95 >

この作品をシェア

pagetop