図書室から始まる彼女の初恋
再び甘い香りを残して去っていった彼。
静まり返る図書室。
梨香さんに
なんて声をかけたら良いんだろう。
「私、かっこ悪…」
梨香さんは、
目に涙をたくさんためて上を向く。
「桃奈、知り合いだったんだね…」
「…前、図書室で一人のときに訪れただけで、
私、何も知りませんよ。」
「この学校の二年にはね、
芦田君と同じような美形やイケメンがいる、
4人組が居るの…
私その中の一人の芦田君に一年の頃に一目惚れしちゃって…
でも、やっと二年で同じクラスになれたのに、
顔さえ覚えてもらえてなかったんだ…」
ついに梨香さんは
顔を覆って泣き出してしまった。
どうしよ…
…落ち込んだ人の慰め方は!?
えっと…えっと…
「今ので覚えてもらえたんじゃないかな…」
「…っ…だと良いな…っ…」