図書室から始まる彼女の初恋


…メアドも入ってるし。

一応登録しておこうかな。

一応ね…!

というか、
もう20分立ってるし。

やっぱり口だけの男だ。うんうん。

「どうしてそっちなの?」

急に聞こえた彼の声。

「は…?」

「普通さ、靴箱で待ってるでしょ?
俺そこでずっと待ってたのに。」

え…待っててくれたんだ。

私、呑気に図書室で雑誌読んでたし…

「ごめんなさい…」

「それで俺が許すとでも?」

ニヤッと私に笑いかける。

やっぱり…彼は正真正銘のドSだ。

「啓って呼びなよ。
それと、敬語は禁止。」

「でも…」

「ほら、早く。襲っちゃうよ?」

う…

何よそれ!

そんなのずるい…!

そう思うも、
男の人の力になんて勝てるわけないので、私は彼に従うことにした。

「…けっ…啓っ。」

「なあに♪」

と、その瞬間私の中で何かがプツンと切れた。

「営業スマイルはやめれば?バレバレだよ。」

彼…じゃなかった、啓の表情が固まった。

この際、言ってやる!

「梨香さんにはサラッと最低なこと言ってるし…」

「やっぱり、ばれてたんだね。」

当たり前じゃない。

バレバレよ。

少なくと他の女の子達は、
気づいていない様子だけど。
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