図書室から始まる彼女の初恋
お弁当の時間。
いつものグループが声をかけてくれて、ホッとした。
「…あ。お弁当忘れた。」
お弁当が入ってない!
確かに入れたと思ってたのに…
うわー、
やっちゃった。
「…桃奈。あそこ。」
グループの一人が教室の入り口を指差す。
やはり、啓達だった。
女の子達は
再びざわつき始める。
「一緒に食べようよー!桃奈。」
燐…
それにしてもき…気まずい。
「お弁当忘れたの。」
あああああ!
謝るつもりが、
こんなに冷たい態度に…
「そんなの、俺が食べさせてあげる。
だから行こう?」
食べさせてあげるって…!
私は黙り、
素直に啓達について行った。