図書室から始まる彼女の初恋
予想通り、
お弁当を食べるのは木造の小屋。
「…あの…皆、怒ってないの…?
さっきは、ごめんなさい…」
私は入口に立ち止まり、
頭を下げる。
「俺、ご飯あげるぞ。」
優希が
柔らかく私に微笑む。
「じゃぁ、俺はデザートあげるよー!」
燐まで…!
「俺はおかずだね。」
佳樹も…
さっきまで皆
私をからかってたくせに…
「俺は約束通り食べさせてあげるからね。」
約束してない!
って……あれ?
私の手に滴…?
「…っ…ごめ…」
安心して…
「可愛い、桃奈。
俺達だけのお姫様。」
座った啓に
頭を引き寄せられる。
今回は前回みたいに
慌てないでいられた。
「…啓………」
と、その瞬間、
目の前が暗闇に包まれた。