図書室から始まる彼女の初恋


「……」

真っ先に目に飛び込んできたのは
茶色い屋根。

…!?

私、寝ちゃった!?

「起きた?」

「うん…」

「それにしてもビックリしたね。」

佳樹が後ろからぼやく。

「…何が?」

「何がって、急に啓の手、握り出すからだろ。」

は!?

嘘でしょ!?

今もしっかりと握り続けられてる手。

「ぎゃぁ!」

落ち着いていたはずの心臓が、
再び激しく揺らぎ出す。

わ…私。

分かっちゃった。

この変な感情の原因。

これが恋だ。

私はつまり…
啓に恋をしている。

え…ない。

絶対そんなことないよね!?

「あーん♪」

啓はスプーンにご飯を乗せて
本当に食べさせてきた。

私は頬が赤くなるのを感じたが
私は気づいてないふりをした。

そうでもしないと、
とても食べれそうにない…。

啓。

私は啓に恋をしたのかもしれない。

皆のアイドル啓に―――
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