図書室から始まる彼女の初恋
「桃奈ってさ、啓のこと好きなの?」
改めて私のお気に入りの 白いプリンセスちっくなテーブルに向かい合って座る。
「…私が?啓を?」
まさか…バレバレ!?
「うん。」
燐に打ち明けようか…
ううん、
燐すぐに喋っちゃいそうだし…
私は頭の中でどちらにするか
格闘していた。
「啓は無理だよ。」
ふいに燐が口を開く。
“無理”…
確か、啓自身も言ってた。
「辛くなる前に諦めた方が良いよ…?
俺は桃奈のために
言ってるからね。」
何よ、それ。
どうしてそんなこと
決まっているの?
わからないじゃない。
まだ何もしてないのに。
「私…諦めない。」
「そっか…。
無理には止めないよ。
辛くなったら俺の所においで。」
またふざけてる…
私はそう思い燐を見た。
―――真剣そのもの。
何か啓にはあったの…?
聞く勇気もない。
「燐…私…啓が初恋なの。」
「うん。応援してるよっ♪」
燐はいつもの調子に戻った。
…だけど目が笑っていない。
私は見て見ぬふりをした。