図書室から始まる彼女の初恋


部屋に戻ると皆、
戻って来るのが遅かったことや私の目が赤いことには触れてこなかった。

「うーん♪美味しい♪」

佳樹のフルーツタルトは
絶品だった。

頬っぺたが落っこちそうだ。

「お前等どうなんだよ?」

優希がにやつきながら
皆に聞き始めた。

「…?」

「恋愛♪」

優希は最近お気に入りの女の子が
出来たとか言ってたっけ…

幸福者は違うなあ…!

…うう、虚しい。

「俺、今本気で恋愛する気ないし。」

佳樹から意外な発言が。

「夢、叶えたいからさ。」

「佳樹は小さい頃からパティシエだよね。」

佳樹と啓って
幼なじみなの…?

「パティシエかあ…佳樹にピッタリ♪」

「美男パティシエね。」

自分で言うのね…うん。

良いと思うよ…

「俺もね今は色んな子と遊びたいかなあ♪
だから本気で恋愛って言うのは当分良いや。」

燐は言わなくてもわかってるよ…

「お前、中学の頃本命にフラれてからトラウマになってねえ?」

あれ…

優希と燐も
幼なじみとか…?

「うーん、まあね…」

燐でも
フラれたりするんだ。

しかもトラウマにって。

見かけに寄らない。

そして、順番的に次は啓だ。
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